猫ちぐら
コロナによる自粛のため、一度もメンバー同士顔を合わすことなく作ったこの曲。
それでもこのクオリティの曲を作れるスピッツの凄さとともに、時代の流れを感じますね。
3分に満たない短い曲ですが、よくよく聴くと歌詞がとても切ないことに気づきました。
この感動が冷めないうちにと思い、記事を書きました。
そもそも"猫ちぐら"とは
こんなんです。
猫ちゃんは狭いところが好きで、こういうところに好き好んで入るようです。
それでは早速私の解釈です。
"意地悪少し笑顔は多めに
汚れちまいそうな白いシャツ着て
アリの行列またいで歩き
不器用に丸いにぎり飯食べて
流れに任せ似た景色上書きしてきた"
⇒ここでは、最後のフレーズでしょうか。"景色を上書きしてきた"。
これが後に深い意味を成すフレーズです。
"作りたかった君と小さな
猫ちぐらみたいな部屋を
斜め方向の道がまさか
待ち構えていようとは"
⇒ここのフレーズでいろいろなことが分かってきます。
"作りたかった"ってことは、もう過去の話。猫ちぐらみたいな部屋=狭くても居心地のいい部屋はもう過去の話になってしまっています。
好きな人との別れを感じ取れます。
"驚いたけどさよならじゃない
望み叶うパラレルな世界へ
明日はちょこっと違う景色描き加えていこう"
⇒最初のフレーズでは"流れに任せて似た景色上書きしてきた"が
"明日はちょこっと違う景色描き加えていこう"
となっています。"上書き"からの"描き加える"。これは大きな違いですよね。
別れる前は上書きしていた景色を、別れてからは描き加えていく。
好きな人のことを忘れたくないがために、現実ではなくパラレルな世界で景色を描き加えていくのかな。
"弱いのか強いのかどうだろう?
寝る前にまとめて泣いている
心弾ませる良いメロディ
追い続けるために"
⇒"寝る前にまとめて泣いている"
これはすごく共感します。泣きたい時でも人前では泣けず一人寝る前にどっと泣く。切ないですね。よっぽど泣きたい状況を物語っているのでしょうか。
"続いた雨も小降りになった
お日様の位置もなんとなくわかる
寂しいけれどさよならじゃない
望み叶うパラレルな世界へ
願わくば優しい景色描き加えていこう"
⇒そして最後のフレーズ。
"続いた雨も小降りになった"ということはずっと流していた涙も収まってきたということでしょうか。
元気を取り戻せる気がしてきた。そんなところでしょうか。
現実ではなくパラレルな世界で、優しい景色を描き加えていく
そんなことが出来れば。
全体を通して、これは別れの曲です。別れても好きな人のことを思った曲でしょうか。
マサムネさんが書く歌詞はそういう内容が多いですよね。
『ありがとさん』も然り。自分には到底そんな考えにはなりません。別れたら過去の人はどうでもいいです。むしろ自分と別れたことで不幸になればいい、そんなことを考える卑怯な人間です。
また、恋愛についてパソコン用語でいうと、男性は「名前をつけて保存」、女性は「上書き保存」とよく言いますが、男性の恋愛心情を表しているように感じられます。
マサムネさんは歌詞の意味をほとんど公表しません。
それは、それぞれ考えた人の内容が正解でいい、という思いだからだそうです。
自分なりに解釈して想いをはせて、スピッツの魅力に勝手にはまっています。